月曜日の作文の宿題には親子で熱心に取り組みました。私が独力で書き上げた作文には、提出前に乗り越えなければならない家庭内の関門があります。
それが母の目。頭から結びまで、一通り母の厳しい目で添削が入ります。いつも優しい母が、なぜか作文の宿題の時だけは気合いの入れようが違うように感じました。
ある時は描写を細かく書きすぎて、「回りくどい」との指摘を受けました。またある時は我ながら上手く書けたと自負していた文章が「子供らしくない」と一蹴されました。子供らしい文章とはどんなふうだろう?と考えて作文を書く小学生は、それこそ子供らしくないと思うのですが…!
とにかく文章(作文の宿題だけ)を書くことに対してはスパルタ教育?だった母が、いつも口酸っぱく言っていたことがあります。
「嬉しい」という言葉を使わずに、嬉しさが伝わるように書きなさい。「悲しい」という言葉を使わずに、悲しい気持ちが伝わる表現を探しなさい。
感情を表現するのはある意味で簡単です。嬉しい、楽しい、悲しい、悔しい、腹立たしい。そう書いてしまえばそれまでなのです。十分伝わるでしょう。しかし、それでは面白くないと母は言うのです。
当時小学生の私にも母の言うことは確かに理解できました。自分本位ではなく、読者の心の動きを想像しながら書くことが自然と身についたように思います。
母の熱血指導のおかげでアキコ先生の花丸がたくさんもらえたわけです。このようにして私はますます作文が好きになっていったのです。
