賢者の書

好きな本を紹介するカテゴリを立ち上げ、最初の一冊に選んだのは喜多川泰さんの『賢者の書』です。座右の書として長く手元に置いて何度も何度も読み返している大切な本。ページをめくるとアンダーラインと書き込みメモでいっぱいです。それだけ気づきのある本でした。

私に読書の面白さを教えてくれた喜多川泰さんのデビュー作。この装丁は初版当初のもので現在では手に入りません。物語の中に自己啓発のエッセンスが詰まった喜多川さんの書籍が好きで、発売するたびに購入して読んできましたが、このデビュー作に喜多川さんが伝えたかったことが体系的に網羅されており、凝縮している本だと思います。

主人公の少年が「最高の賢者」になるための旅を描いた冒険ストーリー。旅の途中で出会う9人の賢者から一つずつパズルのピースを受け取り、学びを得て成長していきます。

行動/可能性/自尊心と他尊信/目標/今/投資/幸福/言葉/感謝/与える/誕生…

数多のアンダーラインの中から厳選して、心が震えた文節を紹介します。

とにかく行動を起こすのだ。よいか、それによって何が返ってくるのかを気にして、怖がる必要も、また期待する必要もない。手に入れた時は嬉しかろう。また期待はずれだったら辛かろう。しかし、大いなる力が絶対に必要なものをお前に与えてくれているのだという事実を忘れてはならない。行動の結果として手に入るものに、そのつど一喜一憂するのではなく、ただひたすらこう考えよ。これはどこに使うことになるのだろう、と。

たとえ絶望の淵に立たされるような大失敗と感じる出来事があったとしても、忘れるでないぞ、それはお前の人生の壮大な絵を完成させるために必要であるからこそ大いなる力がお前に手渡した、ひとつのピースであるということを。

人はともすれば体より先に頭が動いてしまいます。頭であれこれ考えるよりも先に行動を起こすことの大切さをこの本は教えてくれます。行動の結果として得られるものは一つの経験でしかないという言葉。成功だとか失敗だとかの判断は、所詮自分の小さな頭で決めた線引きにすぎず、すべてがかけがえのない経験になるんだという教えに鳥肌が立ちました。

君の伝記を読んでいる人間が、今日のページを読んでいる時に、『あぁ、こいつは成功して当然だ』『この人は、絶対成功する人だ』と確信できるような一日にすることだ。

この一節に人生観をズドンと変えられました。自分の伝記を生きるなんて今まで考えたことがなかったからです。この本をきっかけに、伝記上の紙之助はこの局面でどう判断するだろうと考えて行動するようになりました。

その行動の延長線で、著者である喜多川泰さんに会いに行きました。ご本人にお会いし大切なこの本にメッセージを書き込んでいただきました。喜多川さんは、くたくたになった私の本を見て「わあすごいねこの本。読み込んでくれてありがとう」と声をかけてくれました。

私の伝記の1ページ。大切なパズルの1ピースです。

書籍情報

『賢者の書』喜多川泰 著(ディスカヴァー・トゥエンティワン)